部屋をお揃いの家具でトータルコーディネート!
海外に自社工場を持つ、大木町発の家具ブランド
スタイリッシュな家具で部屋をトータルコーディネートできると、大木町発の家具ブランドが注目されています。「株式会社 平成」は、家具のパーツ工場からスタートし、現在では、中国大連に自社工場を持ち、プライベートブランド「平成家具」を立ち上げるまでに成長。これからが楽しみな、新進気鋭の企業です。
兄妹で協力して
商品開発、生産、販売まで。
待ち合わせの時間に会社に到着すると、出迎えてくれたのは上品な女性社長でした。株式会社平成の代表取締役、税田(さいた)貴子さんは、四人兄妹の次女。大連の工場を兄の増本將臣さんが守り、大木町にある本社を貴子さんが社長として取り仕切り、妹の増本万里子さんが専務取締役として営業や商品開発を担当し、兄妹三人で会社を運営しています。
父であり会長である先代の増本公勇さんは、たった一人で事業を興し、家具のパーツを作る会社から自社オリジナル製品を作りたいと一念発起。福岡から近い立地の中国・大連に注目し、現地に自社工場を作りました。今でこそ、海外に工場を建設することは珍しくなくなりましたが、1990年代はまだそのはしりの時代です。慣れない場所で何度も会社を乗っ取られそうになったり、中国での暴動に巻き込まれたりと、その道程は平坦ではありませんでした。
それでも先代は、工場で働く人たちのために地域に幼稚園を建てて寄付し、幼稚園の先生には日本で研修を受ける機会を作る等、地元に貢献し働く人たちを大切にしてきました。そういった一つ一つの積み重ねから信頼を獲得し、大連市特別労働奨を受賞、さらに旅順名誉市民の称号も受けました。また工場は中 国保護企業として認められるまでに成長を遂げました。大連地区の自社工場は総面積27,000㎡。日本人経営による徹底した品質管理で、高品質、低価格の家具製産を実現するに至ったのでした。
そんな先代の誠実な後ろ姿を見て育ってきた貴子さんは、小学生の頃から「父の仕事を手伝いたい」と思うようになります。高校卒業後には、「世界を見てこい!」という父の方針でアメリカに留学。アメリカは当時の先進国の中でも憧れの国でした。海外に出てはじめて、第二次世界大戦や原爆、文化と、何をとっても自分が日本について知らないことを痛感。父の一言がなければ九州から一歩も出ない人生だったかもしれないと思うと、この留学経験が今でも糧になっているといいます。
2年後に帰国して父の会社を手伝いながら勉強し、若干26歳で社長に就任。早いうちに子どもたちに会社を任せ、会長となった父は、20年近く経った今も、アドバイザーとして若き後継者たちの力になってくれています。
「私たち一人一人では父を超えることは到底できませんが、個性の違う三人が力を出し合って、父のつくり上げてきたものを目指していきたい。父は、私たち兄妹のカリスマなんです」と、貴子さんは誇らしそうに語ります。
同社は、大企業ではできない「スピード」を重視して、やると決めたことは即実行するのがモットー。例えば、日本の催事で使う家具のサンプルを中国の自社工場にオーダーすれば、通常なら完成までに2〜3ヶ月はかかるものが、わずか2週間ほどで仕上がってきます。工場の社長でもある兄の將臣さんは小集団活動やTOC手法を積極的に取り入れ、作業工程の改善を何度も重ねた結果、満足のいく製品が迅速に作り上げられるようになったそう。そうして、そこからまたユーザーの意見や使い勝手の良し悪しを取り入れてさらに改良を繰り返し、無駄のないデザイン性の高い家具として、「平成家具」は完成していくのです。
世界のトレンドを視野に入れ、薄型家具や
トータルコーディネートできる家具も開発。
九州の家具のパーツ作りからはじまり、婚礼箪笥関連を依頼されて作るようになり、そのうちユーザーからの要望でテレビボードやベッドなど、チャレンジしながら新しいものを作るようになった同社。現在は、専務である妹の万里子さんが商品開発の中心となって、ダイニングセットなど、単品ではなく部屋全体をトータルでコーディネートできるシリーズ化した家具を開発しています。取材時も、技術者と熱心に打ち合わせをしながら新しい家具の可能性を探る万里子さんの姿がありました。
そこに暮らす人を具体的にイメージして積極的に製品化する中で、家具業界の常識では「無理ではないか?」といわれることにも、まずはチャレンジ! どんどん社外の催事に出かけて行ってはお客様の生の声を拾ってくることにしています。
「ターゲットは30代〜60代。ユーザー目線を何よりも大切にしています。いいと思って作っても売れなければ自己満足ですから。でも、一方では自分たちがいいと思うものは譲らない潔さも大切。その両方を見据えて、改良に改良を重ねた自信作を世に出しています」と、意欲的です。
その一環として、FacebookやInstagramなどのSNSを利用して積極的に情報発信し、ユーザーの(特に女性の)ニーズを探ることも徹底。また、海外の展示会にも毎年2回出向いていき、世界的な視点でトレンドを捉えています。
そうしたトレンドを見据えて、ここ数年はグレー系の家具に力を入れたシリーズ展開も。
また、ほとんどの家具がトータルコーディネートできること。それが、同社の家具の特徴であり、最大のメリットでもあります。
例えば、2枚以上の扉や引き出しのある家具は、加工段階で番号を付していき、組立段階で番号合わせをしていくと最終段階で木目がきれいに揃うような工夫がなされていて、見た目の美しさも申し分なし。
さらに、関東方面に家を持つ人やマンション住まいの人からの要望で、奥行き32cmという画期的な「薄型大容量」の家具も開発。限られた空間を有効活用できると好評を博しています。
まるでモデルルームみたい!
ショールームで実物をじっくりチェック。
そんな流れの中で、2017年についにショールームを自社内に作り、一般に開放することになったのです。これも「実物をじっくり見てみたい」「この間買った家具に合わせてまた買いたい」というユーザーの要望を形にしたものでした。
ショールームには様々なタイプの家具が、シリーズごとに一つの「部屋」として整然と展示され、各部屋を訪れるのが楽しくなります。また、ここで実際に家具を見ながら部屋作りの相談に乗ってもらえたり、ライフスタイルに合わせた提案をしてもらえるのも頼もしい限り。メーカー直販だからこそのお得な価格設定も見逃せません。
家具は頻繁に買うものではないからこそ、じっくり考えて、実用性や部屋のタイプと合わせて夢を膨らませつつ選びたいもの。
徹底的にユーザー目線に立った家具作りを目指す「平成家具」から、次なる新商品が生まれてくるのが楽しみです。
(取材日2018年10月11日)
店舗データはこちらから
★ デザイン・企画 ★
すてきな暮らしのクリエーター
お客様の暮らしを居心地のいい豊かなものにしたい。
私たちはそういう思いで日々商品を開発しています。
★ 製 造 ★
生産拠点を海外に持つことで、高品質・低価格を実現しています。
中国大連地区に総面積27,000㎡の自社工場を持ち、日本人経営による徹底した品質管理をしています。
独自のフレキシブルな生産体制のもと、小ロットよりオリジナル商品の受注生産を可能にしています。
★ 販 売 ★
家具産地・大川地区に倉庫を持つ事により、コンテナ単位の発注はもとより、1本単位の出荷体制を可能にしています。
専門QCによる抜打ち検査を実施して、常に品質向上に取組んでいます。
・大木町地域応援商品券取扱店
株式会社平成 代表取締役 税田貴子
【Facebook】 @heiseikagu
【Instagram】 heiseikagu
株式会社平成 平成家具 Heiseikagu Heisei-Furniture ヘイセイファニチャー