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お店・会社情報

そうきりたんす わこう

☆新着情報☆ホームページをご確認ください。

・桐たんす(桐箪笥、桐タンス)製造と販売
・家具の再生(洗い・リフォーム)
・組子ベッド(桐ベッド)の製造と販売
・特許2件。実用新案数件取得。
・ショールームは九州一の桐たんすの品揃えで多数展示中。
・駐車場10台
・大木町商工会会員の会社

基本情報

営業時間
9:00-18:00
定休日
年中無休
連絡先
0944-33-1421
ジャンル
買う
HP
https://www.tansu.com/
住所
三潴郡大木町大字三八松1048
※お使いのスマートフォンの設定や環境によって、実際の現在地とは異なる位置が現在地として表示される場合があります。
詳しくはこちら(Googleマップ公式ヘルプへジャンプします)

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和洋どちらにも合う斬新なデザインの家具を
桐たんす専門メーカーがハイテク機器を駆使して開発。



 「桐たんす専門メーカー」と聞いてきて事務所に一歩足を踏み入れると、デジタル機器がずらりと並ぶハイテクな空間に思わず息をのんでしまいます。
 「株式会社総桐箪笥和光」は、大木町発の桐たんす専門メーカー。桐たんすといえば、純和風なイメージを持ちがちですが、同社の作る桐たんすは、一般的な桐たんすのイメージを覆す斬新なデザインで、和にも洋にも合う作りが自慢です。
 2017年、「OKAWA The Future Furniture 2017 第27回新作コンペ」に出品した作品「風浪」は、経済産業大臣賞を受賞。海と波をテーマにたんすの表面を美しく波打たせた、他には類のないデザインに注目が集まりました。

彫刻家が立ち上げた家具メーカーが
桐たんす専門メーカーに成長。

 1962年、家具の産地・大川にて和光木彫工芸社として会社は産声をあげました。彫刻家でもあった先代会長が、彫刻を施した美しい民芸小物を作り、それが自社ブランドの欅たんすの製作に繋がっていったといいます。
 1973年に大木町の現在地に社屋を移し、その後、「大川にないものを作りたい」と、家具としては最高峰の技術の要る桐たんすを作ることに挑戦。九州の桐たんす専門メーカーとして、徐々に販路を広げていきました。

 最近ではリーズナブルな桐たんすも出てきていますが、桐材の質は様々。同社では、高品質の北米桐と中国桐の桐材を使用、しかも狂いが生じにくい柾目(木目が直線)を使っています。
 中でも、特にこだわっているのが、「塗装」。2000年に実用新案を取得した表面特殊加工の技術で、桐の風合いはそのままに、桐たんすの弱点である手垢やカビなどの汚れや、変色が防げる上、桐の呼吸にも配慮しています。少々の汚れなら、水拭きでさっと汚れが落とせるというから驚きです。


コンピューターとの出会いで作り上げた、
桐たんす「風浪」が経済産業大臣賞を受賞。

 現社長・加島清治さんは、16歳のとき、先代である父に「これからは、コンピューターを勉強しておいた方が良い」と勧められ、高校に通うかたわら、毎週末片道2時間かけて福岡市の専門学校に通い、当時としてはまだまだ先進的であったコンピューターの技術を習得。「パソコンが登場するずっと以前の話で、当時はリースで1台につき月50万円もかかるマシンでね、とても個人で所有できるようなものではありませんでしたよ」と、社長は当時を振り返ります。その後も、新たな機種が出るたびに地道に学び続け、パソコンを使った家具作りでは先駆けだったといっても過言ではありません。



 試行錯誤を繰り返し、現在、会社には3D CADソフトのFusion360搭載のパソコンと周辺機器をはじめ、コンピューターで複雑な形状の加工ができる木工用NC、3Dプリンター、レーザーカッター、カッティングプロッターなどの機械がずらり! 一見、ここが桐たんすを製造する工場とは思えないほどです。
 そうして、Fusion360と木工用NCを駆使して、桐たんすの既成概念を打ち破るような斬新でモダンなデザインの家具やベッドを製作、販売しているのです。

 中でも、均等なカーブを波打つように幾重にも重ねたデザインの桐たんす「風浪」は、「OKAWA The Future Furniture 2017 第27回新作コンペ」に出品し、経済産業大臣賞を受賞した自信作。海と波をテーマに、手作業ではとてもできそうにない均一の凹凸が美しい模様となっています。



「この作品は、Fusion360があったからこそできたものです」と加島社長は胸を張ります。通常木工NCは2次元の加工、それを3D CADを使い3次元で動かすということは国内では初めての快挙でした。


特許取得の総桐「組子ベッド」や
スタッキングできる家具等、自信作が続々登場。



 他にも、自信作は次々に生み出されました。特許を取得した総桐の「組子ベッド」は、床材としてスノコの上にさらに組子を乗せたことで、布団との接触面積が少なくなり、布団に湿気がこもりにくく、カビにくくなりました。

季節ごとに、敷き布団やマットレスのほかに、ゴザなど好きな寝具を使用できるのも嬉しいところ。夏は涼しく冬暖かいと好評です。おまけに、工具不要で、女性でも5分程度で組み立てられる、簡単で軽い造りも喜ばれています。

 ショールームで一際目を引く和モダンな桐たんす「TOTEM」は、九州産業大学との産学連携プロジェクトで生み出されたもの。大学生のアイデアを取り入れながら共同で作り出しました。この作品は、実用新案も取得しています。



組子を引き手に使用し、スタック構造(積み上げ式)で一段ずつでも購入できます。サイズ違いのチェストもあるので、部屋のつくりや好みで自在に積み上げることができるのです。


 会社の敷地内には1階に工場と事務所、2階にショールームがあるので、ぜひ訪ねて、実際に自分の目で確かめてみてください。

 伝統的な桐たんすからモダンなデザインまでが揃い、間近で様々に見ることができます。

 同時に桐たんすの再生も行なっているので、手持ちの桐たんすのリフォームや、譲り受けたものの使い勝手の悪くなった古い桐たんすの再生についても、気軽に相談できます。

「自分が楽しみ、自分が欲しいものを作る。
それが、私のモノづくりの原点」




 「いつだって、最初は自分のほしいものを作るんですよ。モノづくりのモチベーションは、自分が楽しむことです。今までできなかったことができるようになると、ワクワクするんです」

と、笑う加島社長。
 デジタル機器を自在に扱うことからインドア派なのかと思うと、休日は電動アシストマウンテンバイクで森林や山道を走るトレイルライドに出かけたり、使い勝手よくカスタマイズしたドローンで空撮を楽しんだり、いい風が吹けば海に行ってスカイボードを楽しむという本格的なアウトドア派。飽くなき探究心と好奇心が、アイデアの源です。

 3D CAD、3Dプリンターを用いることで、今まで木では作れなかったものが作れるようになり、作る楽しみがぐんと増したといいます。将来的にはさらに立体の精度を高め、斜めの角度の作業ができる5軸のNCもほしい、と目を輝かせます。
 
 会社では、加島社長がまず3Dでデータを作り、息子さんが木工NCにかけて作業し、家族やスタッフが連携して一つの製品を作り上げていきます。そして、新製品を作るときには、「何か必ず新しい技術を取り入れることにしている」という社長のアイデアは、とどまるところを知りません。
 桐たんすの伝統と機能性に敬意を払いつつ、常にその先にある「使いやすさ」や「新しさ」を探求し、新たに作り上げていく姿勢。その根底には、彫刻家であった父から受け継いだ職人魂と、遊び心が確かに息づいています。

(取材日2018年9月27日)

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