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2018年、大木町に開講した「学研かがやきそろばん教室」。「一人ひとりに寄り添い、共に喜ぶ」ことをモットーにスタートして一年あまり。夕方になると、子ども達が元気にやってきます。
小学6年生で珠算2段を取得。特待生として高校進学、そろばんの全国大会で上位入賞の常連となり、難関の珠算6段も取得。卒業後は特技を活かして銀行や税理士事務所でキャリアを積み上げてきた、代表の下川さんに話をお聞きしました。
小6でそろばん2段、高校で6段取得!
全国大会2位、九州大会優勝の快挙。
道路沿いに佇む小さな箱型の建物。ここが、2018年5月にオープンした「学研かがやきそろばん教室」です。中に入ってみると、一番前に先生用の机があり、子どもたちのための机がずらり。幼児から小中学生を対象に、学研とそろばん教室を開講しています。
にこやかなやさしい笑顔で迎えてくれた代表・下川さんがそろばんに出会ったのは、小学3年生の時。習い事として始めたのが最初で、楽しくて没頭しているうちにメキメキ腕を上げていき、小学生としては異例の2段を小6で取得。その才能を見込まれ、地元の高校からそろばん特待生の話がきたほどでした。
特待生としてそろばん漬けだった高校時代に、九州大会優勝、全国大会2位という輝かしい実績を作り、全国商業高校簿記1級も取得。学校推薦で福岡銀行に就職を果たしました。以来、銀行や税理士事務所等で、そろばんで培った得意の計算力を活かして20年間目まぐるしく働いてきました。その間も腕を磨き続け、1999年には、税理士受験資格を持てる日商簿記1級を取得し着実に実績を積み上げてきました。そんな下川さんがふと立ち止まったのは、今から約10年前のこと。
「自分なりにキャリアを重ねてきましたが、40代になった頃、今後は、特技を生かして自分のペースでできる私自身の仕事をしたいと思ったんです。それは、私にはやはり子どもの頃から慣れ親しんできたそろばんでした。」
自分が夢中になって学び、その後の人生をも支えてくれたそろばんを子ども達に教えたい。
目標が定まってからの下川さんは、まずフランチャイズのそろばん教室に籍を置き、5年間そろばんを教えつつ教室運営を学びます。その間に教室も生徒も次第に増えていき、同時に国語、算数、英語を教える学研の教室もスタート。そろばんと学習塾の両輪で動き始めたのでした。
満を辞してそろばん教室を開校。
暗算力、読解力アップでそろばんに再び脚光の兆し!
そろばん教室の運営に手応えを感じた下川さんは、フランチャイズの教室を辞し、2018年、大木町の現在地に自身が設立した「学研かがやきそろばん教室」を開校しました。学習塾としての学研は月曜と木曜に開講。 そろばん教室は、毎週水曜、木曜、金曜に開講しています。受講生は、週1回(3000円/月)か週2回(4000円/月)から選ぶことができ、小学生から中学生まで、様々な生徒が通ってくるといいます。
少子化の影響で、昨今は子どもの習い事は多岐にわたり加熱傾向にもあり、4歳以上になると約8割の子どもがなんらかの習い事をしているといいます。一方で機械化や計算機の普及でそろばん需要は衰退し、習い事としても一時期は勢いをなくしたと思われたそろばん。しかし、近年では再び習う人が増加傾向にあるということをご存知ですか?
日本珠算連盟によると、珠算能力検定試験(1〜10級)の受験者は1980年度の204万人をピークに減少傾向が続いていましたが、2006年度以降増加に転じ、2012年度は約22万人までに増加。その後も注目度は高まってきているといいます。
というのも、そろばんで計算、暗記力を鍛えることにより、スピード重視の受験での計算力が鍛えられ、右脳も発達すると認識されてきたからです。
例えば、暗算力には、右脳を使う珠算式暗算と、左脳を使う算数式暗算がありますが、珠算式暗算では右脳で処理した答えをパターン記憶します。このトレーニングを重ねると、直観像として長く脳の記憶にとどまるといいますが、これらの記憶する力は暗算トレーニングで身につくのです。
また、この記憶力は、幼稚園児など幼少時から始めるほど身につきやすいとされ、記憶力が高まれば暗記も短期間でできるので、学習でも非常に役に立ちます。
さらに、指先を使うことで右脳が発達し、読解力がアップすることも指摘されています。一般的に試験などで使用される記憶方法(左脳使用)は短期間で忘れてしまうことが多いのですが、珠算式記憶法(右脳を使用した直観像記憶)は長期間失われません。
「指先は外に出た脳」と言われているように、そろばんは指先トレーニングによって脳を育てます。そろばんで計算に集中したり、数字を聞き逃さないように集中して聞いたりする習慣がつくと、普段から物事に対する集中力も身につく等、様々なメリットが注目されているのです。
京大生の習い事第1位がピアノ、第2位がそろばんというアンケート結果(『京大個別会』京大生120名にアンケート)が出ていることからも、これからさらに見逃せない習い事の一つとなりそうです。
加えて、近年では大人のそろばん教室も注目されています。指先を使うそろばんによって前頭葉を鍛え、認知能力を向上させることで、いつまでも健康な心と体を維持できるというわけです。
年に3回の面談を実施し、保護者にもきめ細やかに対応。
子どもたちの「わかった!」がなによりの励みに。
「当教室は、年に3回30分〜1時間の面談をしています。勉強の進度や成績をもとに保護者の方々と顔を突き合わせてお話しするのですが、普段はなかなかゆっくり話す機会がないので、この面談をとても大切にしています。面談を通して保護者の皆さんの考え方やお子さんたちに対する思いを知ることができるので、それらを踏まえた上で、しっかり指導していきたいと思っているんです。」
一人ひとりに合わせ、面談も大切にする丁寧な指導は、保護者にも好評です。「親の言うことは聞かないけれど、先生に言われるとよく聞くんですよ」、「子どもは意外と自分のことを話してくれないので、我が子のことを客観的に見てくれる人がいるのは良いと思う」といった声も聞かれるほど。昔から人に教えることが大好きで、職場でも「教えることが上手」と言われてきたということにも、うなずけます。
子どもたちの「わかった!」という笑顔を見るのが何よりも嬉しいという下川さん。夢は、自身の孫にそろばんや勉強を教えること。これからを担う幼き世代と一緒に経験を積み上げ、成長していくことが楽しみなのだと笑顔で語ってくれました。
(取材日2019年12月9日)
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