あるばい

　ビビットなオレンジ色が一際映える車体。大木町運動公園に程近い静かな住宅地の一角に、そのキッチンカーはありました。2020年、11月14日にオープンした「弁当屋つきぐも」は、作りたての弁当を販売するテイクアウト専門店。

　オーナーの牟田口博光さんは、福岡県内のファミリーレストランをはじめ、空港やソラリアプラザ、西鉄久留米駅名店街などの飲食店で和洋食を中心に作ってきた、この道40年の料理人です。

　就職後ほどなくレストランに配属されて料理のおもしろさにはまり、和食、洋食全般からうどんにいたるまで、家庭で気軽に食べるように愛される料理を作ってきました。また、ランチで自分で考案した女性好みのメニューを提供して売り上げアップに貢献したことも。旬の食材を上手に使うことで、低価格に抑えつつもボリュームのある料理を提供する、ファミレスならではのノウハウを学んだといいます。

　そんな牟田口さんが、独立して自身のテイクアウト専門店をオープンしたのは、還暦を迎える節目の年でした。「いつかは」と思っていた夢は、地域の人に喜んでもらえる、あたたかくて気軽な食事を作ること。

　オーダーしたキッチンカーは「あったかいご飯を食べよう」と思ってもらえるようにと、陽だまりのようなオレンジ色をチョイス。長年レストランで腕を奮ってきたこだわりをいっぱいに詰めこみ３ヶ月近くかかって完成しただけあり、大満足の仕上がり。インパクトも大です。

奇をてらわず、みんなが好きな定番メニューを食べてもらいたいとの思いから、
メニューはからあげ弁当350円、チキン南蛮弁当400円、ロースカツ弁当450円（全て税込）の３種類。どれも、注文を受けてからメインを揚げはじめるので、できたての熱々を頬張れるのがうれしいところ。


からあげは生姜、ニンニク、ハーブ入りの特製醤油ベースに一晩漬け込む自信作。
ゴロッと大ぶりで4個入りなので、シェアして食べるのもいい。

チキン南蛮は専用の衣でさっくりと揚げたてタルタルソースをたっぷりと。卵、ピクルス、玉ねぎを使ったマイルドなタルタルソースは、これだけもご飯がすすむおいしさです。

ローストンカツには生パン粉を使ってサクサクの食感を出し、酸味のあるトマトベースのソースをトロリ。やわらかい豚ロースの脂身の甘さと柔らかい身の肉汁が相まって最後まで飽きずにペロリと食べられます。

卵焼きやピクルスの副菜、タルタルソース等トッピングのソース類も全て手作りにこだわっています。

また、ご飯は上質の福岡県産米をガスで炊くのでふっくらの仕上がりに。弁当1個につき180gと量もたっぷり！食べ盛りの子どもやサラリーマンのランチにも喜ばれています。

「目指しているのはシンプルに、安くておいしいお弁当を届けることです。何度でも食べたいと思ってもらえるよう、副菜も日替わりで変化させていく予定です。」
と牟田口さん。

1日限定100食（からあげ60、チキン南蛮20、ロースカツ20）で、注文を受けてから揚げ物を作るので、できあがりまで約10分ほど。急いでいる人や10個以上の注文の場合は、事前に電話で注文しておくとスムーズです。


営業時間／10時30分〜19時30分
定休日／月曜
（取材日2020年11月10日）