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県道83号を柳川方面に向かって直進。土俵うどんの看板が見えてきたらその対面に、ベーカリーラモンの看板があります。看板を目印に細い路地を曲がり進んでいくと、住宅街の中にガラス張りのパン屋さんを発見!
入口の前には可愛い多肉植物が並び、広い店内にはおいしそうなパンがずらり。
お気に入りのパンは前日までに予約を
季節ごとに違うパンに出会う楽しみも。
朝9時。オープン直後から、ベーカリーラモンの駐車場には入れ替わり立ち替わり、買い物客の車が行き来します。店内には焼きたての食パンが所狭しと並び、それらのほとんどが予約済みのもの、というから驚きます。お目当てのパンがある人は、前日の夕方までに予約して行った方が確実というだけあり、ショーケースの中に並べられたパンは、文字通り「飛ぶように」売れていきます。
営業時間は9時〜18時。でも実際は午前中で多くのパンは売れてしまいます。
1日約50種類のパンが焼きあがり、一番種類が充実しているのは10時30分〜11時頃。なくなり次第終了なので、早めに行くことをおすすめします。
パンは、台の上に並べられた調理パンの他、多くは洋菓子店のようにショーケースの中に行儀よく並べられています。その中から好きなパンを選んでオーダーするので、ちょっと特別感があり気分が上がります。日本人好みのふわふわの食感が人気の秘密で、どれも口の中でとろけるようなやわらかさです。
このふわふわ感が、小さな子どもからお年寄りにまで愛されている理由の一つなのです。
一番人気の食パンは、外国産の小麦を独自の配合でブレンドし、発酵バターを使用。買った翌日でも冷凍してもおいしさが変わらないと評判で、焼きあがるそばから予約のお客様がどんどん買いに来るほどの人気ぶり。しかも、遠方から来てまとめ買いをする人が多いことにも驚きます。
食パン一斤310円、菓子パン160円〜、調理パン200円〜、サンドイッチ270円〜と、こんなに人気なのに街中に比べると価格は抑えめ。固定費が少ない分、価格を抑えてお客様に還元しているのだとか。
季節もののパンも豊富で、春はお茶や大納言、夏は甘夏ヨーグルトやさっぱり系のラインナップ、秋は芋や栗、冬はキャラメルナッツ、いちご、シチュー系が並び、訪れるたびに新しいパンを選ぶ楽しみがあります。
「頑張らないでいいんだよ」の
気持ちを込め、ふんわりと焼き上げる。
店主の嶋添直美さんは佐賀県出身。実業団でバレーボールの選手として活躍した後、石窯パン工房くすくすでパン職人として6年間修行を積み、その後筑後市のパン工房セリオで店長として5年間勤めながら経営を学び、パンを作り始めて11年目に、ここ大木町で念願の自分の店を持つことになったのでした。
「子どもの頃からものづくりが好きで、マフラーを編んだり着物作りを自分でしていたので、ずっと自分で何かを作る仕事をしたいと思っていたんです」と嶋添さん。カフェに勤務していた時に、ドリンクにプラスしてパンが作れたら強い!とひらめき、迷わずパン職人の道へと舵を切ります。
店長としてパン屋に勤務していた頃は30人の社員とパートを取りまとめていましたが、これからは自分で全てを決めてやっていきます。長年のパートナーと二人三脚で、大きな倉庫と車庫がある農家の家屋を舞台に、嶋添さんのパン作りはスタートしたのです。
オープンからほどなく、パン屋の少ない大木町でラモンは評判となり、あっという間に人気店に。町外から定期的に訪れるリピーターも多く、オープン直後から固定ファンに支えられ、順調に滑り出しました。
ちょうど筑後市から来たというお客様に話をきいてみると、やはり定期的に通っているリピーター。「次は何を食べようかと考えながら選ぶのが、いつも楽しみなんです」と、おすすめのパンを教えてくれました。気に入ったパンをお土産にして友人にプレゼントしたら、とても喜ばれたので、プレゼントやお土産に選ぶことも多いとか。プレゼントされたお客様が、今度はお客として店を訪れてくれるー。そうやって、ベーカリーラモンは宣伝らしいことをすることなく、口コミで固定ファンを掴んでいったのでした。
当の嶋添さんは「あまり忙しくなりたくないんです。お客さまともおしゃべりしたいし」と、のんびり。訪ねてきてくれるお客さまとのおしゃべりも楽しみの一つで、時には悩みを聞くこともあるのだとか。
忙しく働いた時期があるからこそ、お客様には「頑張らなくていいんだよ」という思いを込め穏やかな気持ちでパンを焼いているという嶋添さん。彼女の作るパンは、その思いを受けてか、ふんわりやわらかくもちもち。でも甘すぎないから、ついパクパクと食べてしまいます。
その素朴なおいしさが、誰かへの贈り物となってつながっていくのでしょう。
店の裏にドッグランをオープン!
犬と一緒にくつろぐ空間作りを。
開店4年目を迎え、嶋添さんが新しくスタートしたことがあります。それは、店の裏の広い敷地をドッグランにしたこと。
嶋添さん自身もラブラドールレトリバーのレイと、ボーダーコリーのボッジの二匹の犬とともに暮らしています。犬を家族に迎えてから生活が大きく変わり、犬好きのお客様との交流も自然と増えてきたといいます。そういったご縁のつながりで、日本レスキュー協会主催の災害救助犬のイベントにも参加してきました。そんな活動の延長として、今後はこのドッグランを使って、犬のしつけ教室を開催したり、災害救助犬や動物福祉に関するイベントも開催したいと考えています。
「ゆくゆくは、砂糖を使わず、素材の味を生かした犬用のパンやクッキーも作り、犬も飼い主もベーカリラモンのパンを食べながらゆっくり過ごしてもらいたい。それが、これからの夢です」と嶋添さん。
ドッグランは2024年2月にオープン。30分500円(コーヒーとクッキー付)で貸切利用できるので、犬を思いきり遊ばせてあげたいという人におすすめです。
きっと、お店を訪れるお客様が、パンとコーヒーを楽しみながら犬との時間をのんび過ごせる憩いの場所となることでしょう。
(取材日2024年 1月23日)
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