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西鉄大溝駅より東へわずか徒歩200m。広々とした居心地の良い一軒家が「たけのこ塾」の教室です。「就学前の大切な時期にたくさん遊び挑戦することから学び、自己肯定感を高めてほしい」。そんな願いを込めて2022年4月に幼児教室をスタート。口コミで評判が広がり、町外から参加する人も少なくありません。毎日様々なクラスが展開され、賑やかな声が響いています。
大木町で自ら幼児教室を立ち上げ
子どもをめぐる環境作りに挑戦。
3年前に大木町に家族で引っ越してきた島添真由美さんには、三人の子どもに二人の孫がいます。子ども好きが高じて、「いつか子どもに関する仕事に就きたい」と願っていた夢をかなえ、この町で幼児教室を始めることにしました。
元々、久留米市内の有名幼児教室に勤務していたのですが、忙しすぎて子どもの学校行事にも参加できない日々に悩み、コロナ禍をきっかけに退社。家族や孫に向き合う時間を作ることにしました。その後、放課後の子どもたちを見守る、地域の学童指導員になり、様々な小学校を回ることに。しかし、その現場で、島添さんは児童の学力低下を痛感し、次第に、家事や仕事で忙しく、子どもにじっくり向き合う時間が確保できない親御さんのためにできることはないか、と考えるようになりました。
「勉強ができなかったり、人とうまく関われなくて叱られる子たちは自己肯定感が低いんです。遊びの中でたくさん挑戦して「できた!」と達成感を感じ、「「よくできたね」と褒めてもらえることで、子どもたちは自己肯定感を育むことができます。小学生までの多感な時期の子どもたちに向けて、そういう場作りをしたかったんです」
島添さんは当時を振り返り、そう語ってくれました。
久留米から荒尾までの筑後エリアには、まだ本格的な幼児教室はなかったため、大木町で広い一軒家を見つけ、心を込めた手作りのチラシを作り、町内の店舗や図書館に置かせてもらうことにしました。一方で、チャイルドカウンセラー、家族療養カウンセラー、介護レクリエーションの資格も取得。
そうして、当初8名でスタートした大木町初の幼児教室「たけのこ塾」は、一年足らずで生徒が約5倍にまで増え、水曜と日曜の休校日以外は毎日年齢別のクラスが様々に開講されるまでに成長したのです。
人間形成の基礎となる乳幼児期が大事
学びながら礼儀やマナーも身につける。
たけのこ塾のクラス編成は、0歳〜3歳、年少、年中、年長クラスで構成されています。年少クラスでは手先を使い感覚器を育てる遊びを中心に行い、年中クラスは思考力、ひらめき、発想力を鍛えるパズルも使います。年長クラスではさらに発展させた工作にも挑戦するといった、年齢の応じたメソッドを取り入れています。加えて、年中、年長クラスでは書き方硬筆、そろばん学習も行い、さらに毎週日記を書くことにより、就学前の基礎をスムーズに学ぶことができます。
また、オープンして5ヶ月後には、リクエストの多かった0〜1歳、1〜2歳、2〜3歳クラスも新たに開設され、ますます賑やかに!
生徒の年齢や回数によって変わりますが、月に4000〜7000円という授業料も良心的。塾内には書道教室も併設されています。
「子どもの個々のペースを大切にして、その子の持っている良さを伸ばしたい」という島添さんの言葉通り、子どもたちはマイペースで楽しみながら、遊びの中から学んでいるようです。でも、それだけではありません。やってきた子どもたちは、玄関できちんと靴を揃え、手をついて丁寧にごあいさつをします。時間や約束事を守り、片付けも全て自分たちで行うほど。日々の生活の習慣として、必要な礼儀やマナーも学ぶのが、たけのこ塾流です。
乳幼児クラスが充実し
小学生クラスも新たにスタート。
「お稽古事とは違う経験を子どもにさせたかった」
「幼児教室を探していたけれど、遠いし高いので諦めていたが、ここなら続けられる」
「発達障害の子どもも楽しめる場所を探していた」
「教育に興味があった」
など、保護者がたけのこ塾を選んだきっかけは様々。
それが、同塾に通うようになってから、「子どもたちが成長した」、という声を多く聞くようになり、手探りで進んできた1年間の手応えを感じた島添さん。
「遊んでいるうちにひらがなに興味を持ち、自分から本を読むようになった」
「あいさつ、片付けができるようになった」
「時間を守ることができるようになった」
「たけのこ塾が休みになると、子どもががっかりするんです」
など、うれしい報告が相次ぎます。中には、毎週島添さんに手紙を書いてくる女の子もいるのだとか。
「教える」というよりも、「子どもたちと一緒に考え、頭を使いながら前に進んでいる」という教育方針が生徒たちにも伝わるのか、たけのこ塾の子どもたちはよく考え、発想力が豊かで、言葉にして気持ちを伝えられる子が多いといいます。人との関係をつなぐコミュニケーション力や自分の考えを言葉にできる力が求められるこれからの時代に、同塾の果たす役割は大きいのかもしれません。
未就学児クラスが整い、次なる目標は小学校クラスを作り、充実させること。学力低下により勉強がおもしろくなくなり、学校も楽しくない、自己肯定感の低いこどもたちが増えてきた昨今、それを解消できる場をたけのこ塾に作りたいと島添さんは考えています。
そのために、新しくできる小学校クラスでは、宿題をはじめ、体育以外のすべての教科の勉強をサポートし、うまくいかないことがあればなんでも一緒に解決していくスタンスで子どもたちに向き合います。
「将来は、この場所がお母さんたちにとっても安心できる場になればいいと思うんです。親が「この子をなんとかしてあげたい、どうしよう」と思ったときに、「たけのこ塾があるじゃない」と安心してもらえるような。時には育児相談をしたりして、お母さんのサポートができるようになれば。そして、頑張った子どもたちが褒められる、楽しい学びの場にしたいですね」
スクスクと伸びていくたけのこのように、子どもたちと一緒に親も伸びていける場でありたい。島添さんの挑戦は続きます。
(取材日2023年 2月7日)
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